今日は、detune.さんの初期の代表曲「ムシバメルモノ」の
コード進行を解析してみたいと思います!
こちらが名曲中の名曲「ムシバメルモノ」。
ムシバメルモノ
KEY=A
Aadd9 |
[A]
G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em | (2/4)D | C#aug C# | F#m(7,11) |
[A’]
G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em | (2/4)D | C#aug C#7 | F#7 |
[1サビ]
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E | Dmaj7 |
[間奏]
A(add9) | G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em G/A | (2/4)D | C#aug C#7 | F#7(11) |
[2サビ]
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E |
[大サビ]
Bm7 | Bm7 | C#m7 | C#m7 |
Bm7 | Bm7 | C#m7 | C#sus4 C#7 |
[3サビ]
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E |
Dmaj7 | E/D | C#m7 | F#m F#m/E | (2/4ドラムフィル) |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E | Dmaj7 |(Dmaj9)
【ポイント①】
Aメロの入りがキーAなのにG#m7から!
天才は出だしから天才ぶりを発揮しています。
イントロと呼べるのかわからない1小節のAadd9(キーAにおける主和音)でスタートし、
Aメロの頭からいきなり
G#m7→C#7(Ⅶm7→Ⅲ7)。
これはキーCに直すとBm7→E7からAメロが始まっているという事です。
これはビートルズの「Yesterday」でいうところの2小節目から始まっているようなものです。
こんな曲は他にありません。この瞬間detune.さんの音楽的才能が全世界に発信されたのです☆
さらに言うと、G#m7の上で、メロディがDで鳴っていて、コードトーンの#Dと
ぶつかる形なんです。これは同じくビートルズの「Here, There and Everywhere」でも見られる現象で、おそらくどちらも天才による偶発的なものと思われます☆
この点からすると一見ジョン・レノン的なコードワークの郷さんも、実はポール・マッカートニーと同じ感覚を持っている、とも言えますね。面白い!
【ポイント②】
キーAにおける G→ C#aug/F→F#mという進行!
Aメロの3、4小節目のコード進行が
G(add9,13)→C#aug/F→F#m (♭Ⅶ→Ⅲaug/#V→Ⅵm)
です。(C#aug/Fは単純にFaugと表記出来ますが、ここはドミナント進行を意識してこう表記しました)
3小節目のGの(add9,13)はギターのみが鳴らしているテンションです。
この進行、非常に珍しい進行です。
キーCに直すとB♭(add9,13)→Eaug/G#→Amとなります。
このキーAにおけるG、つまり♭Ⅶのコードは郷さんの楽曲に
頻繁に出てくるものですが、そこから裏コードにあたるⅢの5度変化形かつ
ボトムを#Vにしたコードへ繋ぐ、というのはあまり見られません。
この曲のオリジナリティを確立する上で重要なコードワークですね〜☆
ちなみに G(add9,13)の上ではメロディが#C→AあたりをステイしてA/Gのようなサウンドになっています。ここも見逃せないポイント!
aug,オーギュメントコードはAメロ7小節目にも使われていて、
郷さんの他の楽曲にもよく見られます。
このあたりがジョン・レノン的と言えるかも。
【ポイント③】
Aメロ6小節目が2/4拍子!
これは今回コードを採るまで気付かなかったこと!
まさかこんなに自然に2/4拍子が挟まれているとは。
気付かなんだ〜。
ここは2/4を挟んでいる、というよりは6小節目を半分にした、
という状態だと思います。才能のなし得る技ズラ。
以上、大きなポイントはこの3つだと思いました☆
どれもAメロにありますね。
コード進行的に魅力的なAメロから、
コード的には割と一般的な進行で美しい普遍性を持ったサビへ、
という美しい展開だとわかりました。
ではここから、小さなトピックをいくつかあげていきますね。
・最初のAメロ終わりのメロディが#GとF#mに対して9thの音で終わっている。
・間奏がイントロ+Aメロの進行になっているので、
おのずと9小節、という半端な小節数になっている。
・前述のように()で示したテンションは主にギターで鳴らされていて、
サウンドに深みを与えている。とくに間奏終わりのF#7(11)と表記した部分では、
ギターの開放弦を利用して3度と11度の音をぶつける、ギターならではの
サウンドになっている。(ライブでも石塚さんがこのように弾かれているのを目撃したよ!)
・3サビ後半の17小節に2/4拍子を挟んでいる。こちらは意図的に挟んだ、
と思われますね。
・メロトロンで引き延ばされたエンディングではDmaj9で1度と9度などで、わざと
ぶつかるような音で終わらせている。
いかがでしたか?
郷さんの天才ぶりが発揮された初期の名曲、
紐解いてもやはり名曲でしたね☆
次回は『sono』収録のdetune.さんの代表曲「さとりのしょ」を行ってみたいと思います〜
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