今日はdetune.さんの傑作『オワルゼンド』より「紙芝居」のコード進行を
解析してみたいと思います!
こちらがその楽曲。どうやらリミックスのようですよ。
間奏の石塚さんのギターもしびれる〜☆
紙芝居
KEY=Gm(B♭), F, D, G
[A]
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
[サビ]
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | A/B B/A |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B♭6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |
[間奏]
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
[2サビ]
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | A/B B/A |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B♭6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |
[3サビ] tempo up
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | A/B B/A |
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | Am7 C/D |
[間奏2]
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | A/B B/A |
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | Am7 C/D |
Gmaj7 | Gmaj7/A A/G | F#m7 | A/B B/A |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B♭6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |
[ラストA]tempo down
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 | E♭maj7
今回も複数回に渡る転調、さらに郷さん楽曲によく見られる
ルート半音下降による進行など、“らしさ”満点の一曲です。レッツ☆
【ポイント①】
Aメロ前半はGmからの半音下降クリシェで、2つ目のF#augはGmmaj7/F#のルート省略形とも考えられますね。
ポイントはその後に出てくるAのコードです。
これがKEY=B♭(本来Gmですがわかりやすく長調で考えますね)におけるⅦのコード。
これ、郷さんの楽曲に頻出する、いわゆる“らしい”コードなんです☆
いわゆるポップスではあまり使われないⅦのコード。
これもジョン・レノンが「Sexy Sadie」などで使っていて、郷さんがレノン的だと言うことを表している一面なのです。
このⅦ、大抵はⅦ7となって、セカンダリー・ドミナントなるものにあたり、ようはⅢmにドミナント進行をするのが一般的です。そう考えると、それをツー・ファイブにする場合KEY=CではF#m7(♭5)→B7→Em(Ⅳ#m7(♭5)→Ⅶ7→Ⅲm)などとなります。
で、今回はⅣ#m7(♭5)の代わりに同じ4度の和音であるⅣmaj7からⅦへ、ということでE♭maj7→Aとなっている、と考えられますね。ほほう☆
さて、Ⅶの話は終わりなのですが、続きがあります。
この先の進行において、このⅦであるAをKEY=FのⅢのコードへとすり替え、
華麗にKEY=Fへ転調を遂げているのです。
つまり
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
Ⅳmaj7→ Ⅶ
KEY=F Ⅲ → Ⅳmaj7→ Ⅴ→ Ⅵ7
となっています。さらに最後のD7はGmもしくはGmaj7に対するドミナントとして機能しているわけです。2段構え、3段構えの構造。美しい☆
【ポイント②】
さてサビに入ると、またしてもいきなり転調をしています。
【ポイント③】
【ポイント④】
Gm | F#aug | Gm/F | Em7(♭5) |
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 | E♭maj7
今回も複数回に渡る転調、さらに郷さん楽曲によく見られる
ルート半音下降による進行など、“らしさ”満点の一曲です。レッツ☆
【ポイント①】
KEY=B♭におけるA(7)が”らしい”!
Aメロ前半はGmからの半音下降クリシェで、2つ目のF#augはGmmaj7/F#のルート省略形とも考えられますね。
ポイントはその後に出てくるAのコードです。
これがKEY=B♭(本来Gmですがわかりやすく長調で考えますね)におけるⅦのコード。
これ、郷さんの楽曲に頻出する、いわゆる“らしい”コードなんです☆
いわゆるポップスではあまり使われないⅦのコード。
これもジョン・レノンが「Sexy Sadie」などで使っていて、郷さんがレノン的だと言うことを表している一面なのです。
このⅦ、大抵はⅦ7となって、セカンダリー・ドミナントなるものにあたり、ようはⅢmにドミナント進行をするのが一般的です。そう考えると、それをツー・ファイブにする場合KEY=CではF#m7(♭5)→B7→Em(Ⅳ#m7(♭5)→Ⅶ7→Ⅲm)などとなります。
で、今回はⅣ#m7(♭5)の代わりに同じ4度の和音であるⅣmaj7からⅦへ、ということでE♭maj7→Aとなっている、と考えられますね。ほほう☆
さて、Ⅶの話は終わりなのですが、続きがあります。
この先の進行において、このⅦであるAをKEY=FのⅢのコードへとすり替え、
華麗にKEY=Fへ転調を遂げているのです。
つまり
E♭maj7 | A | B♭maj7 | C D7 |
Ⅳmaj7→ Ⅶ
KEY=F Ⅲ → Ⅳmaj7→ Ⅴ→ Ⅵ7
となっています。さらに最後のD7はGmもしくはGmaj7に対するドミナントとして機能しているわけです。2段構え、3段構えの構造。美しい☆
【ポイント②】
サビ頭のGmaj7は転調先のⅠじゃなくてⅣなのよ!
さてサビに入ると、またしてもいきなり転調をしています。
D7から美しくKEY=Gへの転調、と思わせて、実はこのGmaj7をⅠではなくⅣとして、
KEY=Dへの転調という、見せかけの転調をしています!恐るべし☆
このmaj7のⅠとⅣをそれぞれ別のKEYのⅠとⅣでテレコにする技術、
トッド・ラングレンなども使っているテクニックで、近いKEYへの転調になるので、
とっても綺麗に転調できるんですね。すり替えのテクニックと合わせて覚えておこ☆
【ポイント③】
A/B→ B/A!
サビの折り返し部分、 A/B→ B/Aという進行がありますね。
これ、Ⅴ/Ⅵ→Ⅵ/Ⅴということになるんですけど、これもあまり使われない進行ですね。
これF#m7→B7という進行のB7の部分を変化させてると考えられますね。
B7をいったんⅣ/Ⅴの形のA/Bにして浮遊感を出して、その後上は本来のB、下を全音下降させたAにして B/Aにする、という、なかなか理にかなった変化形だと思いました☆
ちなみにその先、またしても非常に滑らかにKEY=Gへ転調しています。
ここもすり替えの技術。
前述のようにA/B→ B/AをB7という元の形でⅥ7と考えて、これをKEY=GのⅢ7へとすり替え、Ⅲ7→#Ⅳm7(♭5)という進行でC#m7(♭5)へと進んでいるのです☆
【ポイント④】
“らしい”半音下降進行!
サビの後半C#m7(♭5) →Cdim7→Bm7→B♭6→Am7という進行 、
見事にルートが半音ずつ下がっていきます。
これもとっても郷さんらしい進行です。
最もこれは一般的にもよく使われるテクニックですが、
最も“らしい”のは4つ目のB♭6です。
この♭Ⅲの部分、昔からよくdim7にして半音下降させるパターンが多いですが、
郷さんは大抵dim7にせずにプレーンや6にすることが多い気がします。
ここにらしさがありますね。同じように♭Ⅵもよく使われます。
そう考えると♭Ⅲ、♭Ⅵ、♭Ⅶ、KEY=CでいうところのE♭、A♭、B♭をよく使うと郷さんらしい曲が出来るかな?お試し☆
さて、今回は郷さんらしいテクニックがたくさんありました。
残ったトピックをいくつかあげておきます!
・コードではないですが、大きなポイントとして、サビが2拍3連のメロディなんですよね。2拍のキックの上に3つの音のメロディの繰り返し。こんな曲も世界中どこにあるでしょう?ってくらい。素晴らしい。
・コードではないですが、大きなポイントとして、サビが2拍3連のメロディなんですよね。2拍のキックの上に3つの音のメロディの繰り返し。こんな曲も世界中どこにあるでしょう?ってくらい。素晴らしい。
・エンディングの最後の最後でE♭maj7へ。ここはポイント①の後半ではあえて書きませんでしたが、C→D7の時点でKEY=Gに転調してると考えられ、そして♭Ⅵmaj7であるE♭maj7で終わっている、と考えられるんですよね。最後の最後までにくい演出☆
・この曲の大きな展開は後半のテンポアップですよね。大胆なテンポアップ。これはどういう風にアイディアでたのかな。
・今回よく聴くまで、Aメロの終わりからサビに入る所の「照らしているのに〜」の「に〜」がサビ頭にかかって歌われていることに気付かなんだ。このかぶり方からして、もしかしたらもともと別々に作られた曲を繋ぎ合わせた、もしくはAメロだけ出来ていた状態からサビを付けたのかも、と想像出来ますね。
・それにしても最初の間奏の石塚さんのギターソロがとってもカッコイイですよね☆神がかっているソロだと思います。フレージングも展開もサウンドも。もう一人の天才です。
・気になったのは最初のサビの頭から入ってくるパッドのようになるシンセの声みたいな音が、一瞬遅れて入ってくるんですよね。なぜ一瞬遅らせたのか?気になる〜
と、後半は気になったこと、感想みたいになちゃいましたが、
いかがでしたでしょうか?
今回は郷さんらしいテクニックが満載でお送り出来ました!
次は郷さんの作曲ワークの一つ、たんきゅんの「サボッタージュ」、行ってみたいと思ってます!