2015年1月26日月曜日

detune.「紙芝居」コード進行☆

こんにちは、ふるりらです。
今日はdetune.さんの傑作『オワルゼンド』より「紙芝居」のコード進行を
解析してみたいと思います!
こちらがその楽曲。どうやらリミックスのようですよ。
間奏の石塚さんのギターもしびれる〜☆


紙芝居
KEY=Gm(B♭), F, D, G

[A]
Gm         | F#aug     | Gm/F       | Em7(♭5) |
E♭maj7  | A            | Bmaj7  | C      D7   |
Gm         | F#aug     | Gm/F       | Em7(♭5) |
E♭maj7  | A            | B♭maj7  | C      D7   |

[サビ]
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | A/B B/A |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |

[間奏]
Gm         | F#aug     | Gm/F       | Em7(♭5) |
E♭maj7  | A            | B♭maj7  | C      D7   |
Gm         | F#aug     | Gm/F       | Em7(♭5) |
E♭maj7  | A            | B♭maj7  | C      D7   |

[2サビ]
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | A/B B/A |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B♭6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |

[3サビ] tempo up
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | A/B B/A  |
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | Am7 C/D |

[間奏2]
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | A/B B/A  |
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | Am7 C/D |
Gmaj7     | Gmaj7/A A/G | F#m7       | A/B B/A  |
C#m7(♭5) Cdim7 | Bm7 B♭6 | Am7 Bm7 | Cmaj7 Cmaj7/D |

[ラストA]tempo down
Gm         | F#aug     | Gm/F       | Em7(♭5) |
E♭maj7  | A            | B♭maj7  | C      D7   | E♭maj7

今回も複数回に渡る転調、さらに郷さん楽曲によく見られる
ルート半音下降による進行など、“らしさ”満点の一曲です。レッツ☆

【ポイント①】
KEY=B♭におけるA(7)が”らしい”!


Aメロ前半はGmからの半音下降クリシェで、2つ目のF#augはGmmaj7/F#のルート省略形とも考えられますね。
ポイントはその後に出てくるAのコードです。
これがKEY=B♭(本来Gmですがわかりやすく長調で考えますね)におけるⅦのコード。
これ、郷さんの楽曲に頻出する、いわゆる“らしい”コードなんです☆
いわゆるポップスではあまり使われないⅦのコード。
これもジョン・レノンが「Sexy Sadie」などで使っていて、郷さんがレノン的だと言うことを表している一面なのです。
このⅦ、大抵はⅦ7となって、セカンダリー・ドミナントなるものにあたり、ようはⅢmにドミナント進行をするのが一般的です。そう考えると、それをツー・ファイブにする場合KEY=CではF#m7(♭5)→B7→Em(Ⅳ#m7(♭5)→Ⅶ7→Ⅲm)などとなります。
で、今回はⅣ#m7(♭5)の代わりに同じ4度の和音であるⅣmaj7からⅦへ、ということでE♭maj7→Aとなっている、と考えられますね。ほほう☆

さて、Ⅶの話は終わりなのですが、続きがあります。
この先の進行において、このⅦであるAをKEY=FのⅢのコードへとすり替え、
華麗にKEY=Fへ転調を遂げているのです。
つまり
E♭maj7 | A            | Bmaj7 | C      D7    |
Ⅳmaj7→ Ⅶ
KEY=F     Ⅲ   →  Ⅳmaj7→  Ⅴ→  Ⅵ7
となっています。さらに最後のD7はGmもしくはGmaj7に対するドミナントとして機能しているわけです。2段構え、3段構えの構造。美しい☆


【ポイント②】
サビ頭のGmaj7は転調先のⅠじゃなくてⅣなのよ!


さてサビに入ると、またしてもいきなり転調をしています。
D7から美しくKEY=Gへの転調、と思わせて、実はこのGmaj7をⅠではなくⅣとして、
KEY=Dへの転調という、見せかけの転調をしています!恐るべし☆
このmaj7のⅠとⅣをそれぞれ別のKEYのⅠとⅣでテレコにする技術、
トッド・ラングレンなども使っているテクニックで、近いKEYへの転調になるので、
とっても綺麗に転調できるんですね。すり替えのテクニックと合わせて覚えておこ☆

【ポイント③】
 A/B→ B/A!


サビの折り返し部分、 A/B→ B/Aという進行がありますね。
これ、Ⅴ/Ⅵ→Ⅵ/Ⅴということになるんですけど、これもあまり使われない進行ですね。
これF#m7→B7という進行のB7の部分を変化させてると考えられますね。
B7をいったんⅣ/Ⅴの形のA/Bにして浮遊感を出して、その後上は本来のB、下を全音下降させたAにして B/Aにする、という、なかなか理にかなった変化形だと思いました☆

ちなみにその先、またしても非常に滑らかにKEY=Gへ転調しています。
ここもすり替えの技術。
前述のようにA/B→ B/AをB7という元の形でⅥ7と考えて、これをKEY=GのⅢ7へとすり替え、Ⅲ7→#Ⅳm7(♭5)という進行でC#m7(♭5)へと進んでいるのです☆

【ポイント④】
“らしい”半音下降進行!


サビの後半C#m7(♭5) Cdim7Bm7B6Am7という進行 、
見事にルートが半音ずつ下がっていきます。
これもとっても郷さんらしい進行です。
最もこれは一般的にもよく使われるテクニックですが、
最も“らしい”のは4つ目のB♭6です。
この♭Ⅲの部分、昔からよくdim7にして半音下降させるパターンが多いですが、
郷さんは大抵dim7にせずにプレーンや6にすることが多い気がします。
ここにらしさがありますね。同じように♭Ⅵもよく使われます。
そう考えると♭Ⅲ、♭Ⅵ、♭Ⅶ、KEY=CでいうところのE♭、A♭、B♭をよく使うと郷さんらしい曲が出来るかな?お試し☆


さて、今回は郷さんらしいテクニックがたくさんありました。
残ったトピックをいくつかあげておきます!

・コードではないですが、大きなポイントとして、サビが2拍3連のメロディなんですよね。2拍のキックの上に3つの音のメロディの繰り返し。こんな曲も世界中どこにあるでしょう?ってくらい。素晴らしい。

・エンディングの最後の最後でE♭maj7へ。ここはポイント①の後半ではあえて書きませんでしたが、C→D7の時点でKEY=Gに転調してると考えられ、そして♭Ⅵmaj7であるE♭maj7で終わっている、と考えられるんですよね。最後の最後までにくい演出☆

・この曲の大きな展開は後半のテンポアップですよね。大胆なテンポアップ。これはどういう風にアイディアでたのかな。

・今回よく聴くまで、Aメロの終わりからサビに入る所の「照らしているのに〜」の「に〜」がサビ頭にかかって歌われていることに気付かなんだ。このかぶり方からして、もしかしたらもともと別々に作られた曲を繋ぎ合わせた、もしくはAメロだけ出来ていた状態からサビを付けたのかも、と想像出来ますね。

・それにしても最初の間奏の石塚さんのギターソロがとってもカッコイイですよね☆神がかっているソロだと思います。フレージングも展開もサウンドも。もう一人の天才です。

・気になったのは最初のサビの頭から入ってくるパッドのようになるシンセの声みたいな音が、一瞬遅れて入ってくるんですよね。なぜ一瞬遅らせたのか?気になる〜


と、後半は気になったこと、感想みたいになちゃいましたが、
いかがでしたでしょうか?
今回は郷さんらしいテクニックが満載でお送り出来ました!
次は郷さんの作曲ワークの一つ、たんきゅんの「サボッタージュ」、行ってみたいと思ってます!



2015年1月25日日曜日

detune.「さとりのしょ」コード進行☆

こんにちは、ふるりらです!
今日はPeeping Lifeのテーマソングでdetune.さんの代表曲「さとりのしょ」の
コード進行を解析してみたいと思います。
素晴らしいアニメーションPVとともに楽しみつつ、
ねじれたコードを堪能あれ☆


さとりのしょ
KEY=?

[intro]

A          | A        |

[A]
Badd9   | Badd9   | A              | A             |
Badd9   | Badd9   | A              | 
B(add9) A(add9) | F(7)           | 
B  A   | Gm   G     |

[サビ]
F       C      | A   C     | F     C       | E    Am    |
Fm      C    |
Amaj7    | Amaj7   | Badd9    | Badd9    | 
Amaj7    | Amaj7   | Gm7          | Gm7         |
A               | A             |
[サビ']  
C       D      | E              | C      D     | E              |

[2A]
Badd9   | Badd9   | A              | A             |
Badd9   | Badd9   | A              | 
B(add9) | A(add9) | F(7)           | 
B  A   | Gm   G     |


[2サビ]
F       C      | A    C     | F     C       | E    Am    |
Fm      C    |
Amaj7    | Amaj7   | Badd9    | Badd9    | 
Amaj7    | Amaj7   | Gm7          | Gm7         |
A               | A             |
[2サビ']  
C       D      | E              | C      D     | E              |
C       D      | E              | C      D     | E              |
E               |

[間奏]
F       C      | A   C     | F     C       | E              |

[3サビ]
F       C      | A   C     | F     C       | E     Am    |
F       C      | A    C    |  E     Am  | Fm   C       |
Amaj7    | Amaj7   | Badd9   | Badd9   | 
A♭maj7    | Amaj7   | Gm7          | Gm7         |
(前8小節を4回繰り返し)
Amaj7 〜


今回は一見シンプルに見えますが、前回の「ムシバメルモノ」以上に入り組んだコードワークです。今回は曖昧なところが多く、、そして拡大解釈を含んでいます。ご了承☆


【ポイント①】転調の嵐!調性の曖昧な進行が目白押し!わかんないよ!


まずAメロの頭から謎ですね。
イントロはA一発で始まって、Aメロ頭でいきなりBadd9
半音上のコード。
この時点で調性が曖昧です。
Badd9の上でギターが一瞬Eの音を奏でていて、推測するにスケールはB♭リディアン。
とすると、無理矢理に解釈するとここはKEY=F、もしくはKEY=Cとすることが出来ます。
そうするとB♭add9→Amという進行の変形としてのB♭add9→A、という解釈が出てきます!ほえー☆
当然、Aに行った時点でKEYはAになっていますので、一瞬で転調している!
と、いう考え方も出来ますが、ここはKEY=Aの一時転調、B♭add9は♭Ⅱと考える方が自然かもしれませんね。いずれにせよ、極めて不思議な進行にも関わらずなんとも自然に聴こえていることのほうが、恐ろしい事態なのかもしれません。

さて、その後AメロはB(add9)A(add9) F(7)  という進行をします。
この時点ですでにKEYはAでは完全になくなっています。
ここでもB♭(add9)の上で、今度はヴォーカルのメロディがEを通過していることから、
B♭(add9)の時点ではまだKEY=FもしくはKEY=Cと言えるかもしれません。
がその後、A♭(add9)→ Fと進行した時点で、Eはフラットしています。
Fの上でメロディがE♭の音へ行っているのです。とすると、このFはF7と解釈できます。

とここから先は3つのKEYの可能性を考えてみました。
まずこのF7をKEY=E♭のⅡ7と考えるパターン。
そうすると、Aメロ終わりまでは転調無しのKEY=E♭、と考えることが出来ます。(Ⅱ7→Ⅴ→Ⅳ→Ⅲm→Ⅲ)
そして、もう一つはこのF7をドミナントと考えるパターン。
そうすると、今度はAメロ終わりまではKEY=B♭、と考えることができます。(Ⅴ7→Ⅰ→♭Ⅶ→Ⅵm→Ⅵ)
さらに、もう一つはそもそもB(add9)A(add9)F(7)  の時点からKEY=Cになっていて、
♭Ⅶ→♭Ⅵ→Ⅳ7→♭Ⅶ→♭Ⅵ→Ⅴm→Ⅴだと考えるパターン。
このパターンはF7がブルースコードのⅣ7ということと、Ⅴmの存在が説明しにくいところがあるので結構無理があります。が、KEY=Cと考えると前後の辻褄が妙に合ってくるところがあります。

むむむ☆みなさまいかがでしょうか??(* *)


さて、この時点で随分ないろんな拡大解釈をしていますが、サビでまた転調します(*^*)
Aメロ終わりでのGをドミナントとして、KEY=Cへの転調です!(さっきのパターンで3つ目のKEY=Cだと考えると転調していないことになるのです。)
ここでのKEY=Cの中でのAがこの曲の強烈なインパクトになっていますね。

サビ後半のA♭maj7 以降は、B♭の上でもEの音はフラットしているので、KEY=E♭と考えられます。(つまり転調してますね。。あっさりと。。何度目の転調でしょうか。。)
そしてサビラストでAに行って。もう。。KEY=Aに戻る転調。。涙が。。
さらにサビ’ではC→D→Eとなり、メロディからKEY=Gと考えられます。参りました。

そしてAメロのBadd9 が鳴って。転調。

と。素晴らしい数々の転調マジックが仕掛けられています。
にもかかわらず、前述したように、美しい程に自然なのが、
まさに天才のなせる技なのですね。
むしろこれは調の枠を外して作られているような感じ。
それが郷さんマジック。
「転調してどこいった〜、謎だ♪」


【ポイント②】
小節数が半端!わかんない!


前回の「ムシバメルモノ」では一カ所2/4拍子が出て来て、
自然と短い部分が出来ていました。
今回も時間軸が乱れています。
まずAメロが4+3+3+2という小節数で成り立っています。
2段目の3小節は1小節の短縮として、
残りの3小節と2小節の成り立ちが謎です。
もうわかりません。しかし全部足すと12小節、と4の倍数に収まっている美しさ☆

そして、サビでは4+1+8+2。
この1小節で終わって、前半を繰り返さずに新しいパートに移る意外性。
素晴らしいです。ちなみにこの1小節のFmの上でメロディが♭Eに行っていて、
次の転調先への布石となっているのです。

さらにエンディングに向けては、この細かい小節数変化を裏切るかのように、
同じ8小節を5度繰り返すのです。そこがまた魅力的ですね。バランス感覚。



さて、この曲メインのポイント①である転調でかなりの部分の解釈を書いてしまいましたが、残った細かいトピックを今回もあげておきます。

・イントロとAメロのコードAの部分ではギターのリフが7thを絡んでいるので、
A7とも言える。
・サビ頭のFのコードの2拍目で、なにかで7thが鳴っているように聴こえる。
これが以外に隠し味になっている。(さとりのしょ-さとremix-を聞いていたらシンセホーンのような音のE♭→Eというフレーズが。これがここで鳴っていると思われます☆)
・3サビの5小節目以降は今度は前半を繰り返して、さらにコードをひねっている。


いかかでしたか?
この曲、世界的に見ても稀な存在だと思います。
こんな曲ありません。郷さんの曲群の中でも、
ひと際異彩を放っていることが、今回わかりました☆

名曲には・解き明かせない・謎がある。

次回はアルバム『オワルゼンド』から「紙芝居」、行ってみたいと思います〜!







2015年1月24日土曜日

detune.「ムシバメルモノ」コード進行☆

こんにちは、ふるりらです。
今日は、detune.さんの初期の代表曲「ムシバメルモノ」の
コード進行を解析してみたいと思います!
こちらが名曲中の名曲「ムシバメルモノ」。


ムシバメルモノ
KEY=A

[Intro]
Aadd9 |

[A]
G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em             | (2/4)D |  C#aug C# | F#m(7,11)     |

[A’]
G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em             | (2/4)D |  C#aug C#7 | F#7        |

[1サビ]
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E | Dmaj7         |

[間奏]
A(add9) | G#m7 C#7 | F#m(7,11) | G(add9,13) | C#aug/F F#m |
Em     G/A       | (2/4)D |  C#aug C#7 | F#7(11)      |

[2サビ]
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E |

[大サビ]
Bm7           | Bm7          | C#m7          | C#m7           |
Bm7           | Bm7          | C#m7          | C#sus4 C#7  |

[3サビ]
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E |
Dmaj7        | E/D           | C#m7          | F#m  F#m/E | (2/4ドラムフィル)  |
G#m7 C#7 | F#m A/E D#m7(b5) | Dmaj7 E | Dmaj7         |(Dmaj9)


【ポイント①】
Aメロの入りがキーAなのにG#m7から!


天才は出だしから天才ぶりを発揮しています。
イントロと呼べるのかわからない1小節のAadd9(キーAにおける主和音)でスタートし、
Aメロの頭からいきなり
G#m7→C#7(Ⅶm7→Ⅲ7)。
これはキーCに直すとBm7→E7からAメロが始まっているという事です。
これはビートルズの「Yesterday」でいうところの2小節目から始まっているようなものです。
こんな曲は他にありません。この瞬間detune.さんの音楽的才能が全世界に発信されたのです☆
さらに言うと、G#m7の上で、メロディがDで鳴っていて、コードトーンの#Dと
ぶつかる形なんです。これは同じくビートルズの「Here, There and Everywhere」でも見られる現象で、おそらくどちらも天才による偶発的なものと思われます☆
この点からすると一見ジョン・レノン的なコードワークの郷さんも、実はポール・マッカートニーと同じ感覚を持っている、とも言えますね。面白い!


【ポイント②】
キーAにおける G→ C#aug/F→F#mという進行!


Aメロの3、4小節目のコード進行が
 G(add9,13)→C#aug/F→F#m (♭Ⅶ→Ⅲaug/#V→Ⅵm)
です。(C#aug/Fは単純にFaugと表記出来ますが、ここはドミナント進行を意識してこう表記しました)
3小節目のGの(add9,13)はギターのみが鳴らしているテンションです。
この進行、非常に珍しい進行です。
キーCに直すとB♭(add9,13)→Eaug/G#→Amとなります。
このキーAにおけるG、つまり♭Ⅶのコードは郷さんの楽曲に
頻繁に出てくるものですが、そこから裏コードにあたるⅢの5度変化形かつ
ボトムを#Vにしたコードへ繋ぐ、というのはあまり見られません。
この曲のオリジナリティを確立する上で重要なコードワークですね〜☆

ちなみに G(add9,13)の上ではメロディが#C→AあたりをステイしてA/Gのようなサウンドになっています。ここも見逃せないポイント!

aug,オーギュメントコードはAメロ7小節目にも使われていて、
郷さんの他の楽曲にもよく見られます。
このあたりがジョン・レノン的と言えるかも。


【ポイント③】
Aメロ6小節目が2/4拍子!


これは今回コードを採るまで気付かなかったこと!
まさかこんなに自然に2/4拍子が挟まれているとは。
気付かなんだ〜。
ここは2/4を挟んでいる、というよりは6小節目を半分にした、
という状態だと思います。才能のなし得る技ズラ。



以上、大きなポイントはこの3つだと思いました☆
どれもAメロにありますね。
コード進行的に魅力的なAメロから、
コード的には割と一般的な進行で美しい普遍性を持ったサビへ、
という美しい展開だとわかりました。


ではここから、小さなトピックをいくつかあげていきますね。

・最初のAメロ終わりのメロディが#GとF#mに対して9thの音で終わっている。

・間奏がイントロ+Aメロの進行になっているので、
おのずと9小節、という半端な小節数になっている。

・前述のように()で示したテンションは主にギターで鳴らされていて、
サウンドに深みを与えている。とくに間奏終わりのF#7(11)と表記した部分では、
ギターの開放弦を利用して3度と11度の音をぶつける、ギターならではの
サウンドになっている。(ライブでも石塚さんがこのように弾かれているのを目撃したよ!)

・3サビ後半の17小節に2/4拍子を挟んでいる。こちらは意図的に挟んだ、
と思われますね。

・メロトロンで引き延ばされたエンディングではDmaj9で1度と9度などで、わざと
ぶつかるような音で終わらせている。


いかがでしたか?
郷さんの天才ぶりが発揮された初期の名曲、
紐解いてもやはり名曲でしたね☆

次回は『sono』収録のdetune.さんの代表曲「さとりのしょ」を行ってみたいと思います〜